地鎮祭とは

不動産コラム

地鎮祭とは

あなたは家を建てる時に実施される「地鎮祭」がどのような儀式なのかを知っていますか。

多くの方にとっては一生に一度経験するかしないかの儀式です。
「何を準備したらいいのか分からない」「費用はどれくらいかかるの」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では地鎮祭とはいったい何なのか、必要なものや当日の流れ、マナーなどについてご紹介します。

地鎮祭とは

地鎮祭(じちんさい)は家を建てる前に、その土地を守っている神様から土地の利用許可を得て、建築工事が安全に進み、無事に家が建築されるように祈願する儀式です。
地鎮祭には神主さんを呼び、施主や建築会社、工事関係者全員が参加します。

全国的に行われている儀式ですが、必ずしなければいけない訳ではありません。
最近では実施しないケースも増えてきており、地鎮祭を行うかどうかは施主に決める権利があります。

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準備するもの

地鎮祭を行うとなると色々と準備が必要となってきます。

主に準備が必要なものは以下の通りです。

  • 初穂料(玉串料)
  • お供え物
  • 地鎮祭で使用する小道具(榊や升など)
  • ご近所さんへの手土産

準備するものの詳細については、後ほど詳しく説明していきます。

最近では、地鎮祭の段取りや準備のほとんどを建築会社と神主さんが進めてくれる場合が多く、施主は初穂料のみを用意すればいいケースも増えています。
念のためどこまでやってくれるかどうかを確認しておきましょう。

地鎮祭の相場

地鎮祭の相場は、合計で10万円前後となる場合が多いです。

代金の内訳については次の通りです。

項目金額の相場
初穂料(玉串料)2~5万円
お車代(神主さんが自分の車で来る場合)5,000円~1万円
建築会社に支払う祭壇などの準備費用1~5万円
お供え物費用5,000円~1万円
ご近所さんへの挨拶回りの時の手土産費用 (タオルやお菓子)500円~3,000円程度(一軒当たり)
合計10万円前後

また、雨が降りそうな時は追加でテントの設置費用がかかる場合もあります。

ただ、建築会社によってはお供え物や祭壇などの準備費が建築費用の中に含まれている場合もあります。
重複して支払わないようあらかじめしっかりと確認するようにしましょう。

地鎮祭の当日までの流れ

地鎮祭の当日までの流れとしては大まかに3つの工程が必要です。

  • 日程の調整
  • 神主さんの確保
  • 必要なものの用意

一つずつ詳しく説明していきます。

日程の調整

まずは地鎮祭をいつ実施するかを決めましょう。

一般的に、実施するのがいいとされている暦は以下の通りです。

  • 大安
  • 友引
  • 先勝

いずれの暦の場合もできれば牛の刻(11時〜13時)に行うのがいいとされています。

逆に避けた方がよいとされている暦や日程は以下の通りです。

  • 仏滅
  • 先負
  • 赤口
  • 三隣亡(さんりんぼう)

「三隣亡(さんりんぼう)」とは建築に関して凶日とされる日です。
「三隣亡」に関しては毎月違うので事前に調べておくといいでしょう。
ただし、家族や神主さん、建築会社や工事関係者など全員のスケジュールを合わせる必要があるため、無理のない範囲で調整すれば大丈夫です。

また、雨の場合でも雨で土地が清められ縁起がいいとされているため、そのまま行われるケースが多くなっています。ただ実際は、日程の再調整が難しく延期できないとの理由もあるようです。

神主の確保

地鎮祭を行うためには、神主さんへの依頼が必要となります。

神主さんへの依頼は建築会社が代行してくれる場合がほとんどですが、念のためお任せしていいのか確認しておきましょう。神主さんは年間を通してさまざまな祭儀や社務をしています。
自分で手配しなければいけない場合は、遅くとも地鎮祭を開催する1ヵ月前には依頼をしておく必要があります。

また希望の日程がある場合も早めに、建築会社と神主さんに相談してスケジュールを合わせておくとスムーズです。

必要なものの用意

地鎮祭で施主が用意する必要があるものは、大きく分けて5つあります。

  • お供え物
  • 初穂料(玉串料)
  • 半紙
  • 升や湯呑
  • 榊(さかき)

これらがどのようなものなのかを一つずつ説明していきます。

お供え物

お供え物は基本的に施主が用意します。

具体的に必要なものは以下の通りです。

  • お米(1合)
  • 海の幸3種類(ワカメ・魚・昆布など)
  • 山の幸3種類(果物・キノコ類)
  • 野の幸3週類(野菜)
  • 塩(180g)
  • 水1合(180ml)

そのほか地鎮祭をお願いする神社によっては用意するものが増える時もあります。

お米は事前に洗ってキッチンペーパーや綺麗なタオルなどで水気を拭きとって乾かしておく必要があります。

奉献酒は、酒屋さんに地鎮祭用だと伝えるとお祝いのしを付けてくれる所が多いです。

海の幸は鯛が代表的ですが、尾頭付きであればほかの魚でも問題ありません。

魚以外に乾物も入れるようにしましょう。

山の幸は果物だけでなくキノコ類を用意する場合もあります。

そして野の幸は地面の上になるもの(きゅうり、ナスなど)と地面の下になるもの(イモ類、大根など)両方入れるようにしましょう。

金額としては合計で5,000円〜1万円程度になる場合が多いです。

初穂料(玉串料)

神社へ支払う謝礼を初穂料(玉串料)といいます。
相場は2〜5万円ですが、神社によって金額が決まっている場合もあるので、事前に確認しておくといいでしょう。

また初穂料はのし袋に入れてお渡しするためのし袋の用意もしておく必要があります。
のしの書き方については後ほど詳しく説明します。

初穂料を渡すタイミングについて正解はありませんが、地鎮祭当日の始まる前に神主さんに渡しておくのがベストでしょう。

半紙

半紙はお供え物を盛る三方の下に敷くのに使用します。
一帖(=20枚)用意しましょう。

半紙は事務用品店で購入可能です。

升や湯呑

升や湯飲みは地鎮祭の最後でお神酒をいただく時に使用します。どちらを用意しても構いませんが、参加者全員分が必要です。

必要と分かってからすぐにインターネットで注文すれば、それぞれに名前や日付などを入れられ記念品にもできます。

ただし準備が間に合わない場合は紙コップで代用も可能です。

榊(さかき)

榊(さかき)は、神棚や祭壇に供える常緑の植物です。
神と深い関わりのある神聖な植物とされています。

お花屋さんで購入可能なので、5本くらい用意しておきましょう。

無い場合は、ほかの常緑樹(クスノキや杉など)で代用しても構いません。そのほかにも儀式の時に使う笹竹や白木の鍬、しめ縄などが必要です。しかし、これらは建築会社や神主さんが用意してくれる場合がほとんどです。

また、最近では施主は当日までに初穂料だけを用意すればいいケースも増えてきています。
予約の際にどこまで用意が必要なのかを確認してから準備していくといいでしょう。

儀式当日

準備ができればいよいよ儀式当日です。
地鎮祭は天候によっては少し早くなる場合もありますが、平均して30分〜40分ほどかかります。

ここではどのような儀式があるのかを一つずつ解説していきます。

修祓の儀(しゅばつのぎ)

祭壇や参列者を祓い清める儀式です。

参加者全員が立ち上がり、神主さんが祓い清めていきます。

降神の儀(こうしんのぎ)

神主さんが神様を迎える儀式です。
参加者は立ち上がって、頭を下げて神様を招きます。神様をお迎えしたら席に座ります。

献饌(けんせん)

祭壇のお供え物を神様に差し上げる儀式です。
神主さんが神様にお水や奉献酒、お供え物を献上します。

祝詞奏上(のりとそうじょう)

神主さんが神様にこれからこの土地に建物を建設する旨を伝え、工事が無事に進むように祈る儀式です。
参加者は立ち上がり、頭を下げて祈願します。

四方祓いの儀(しほうばらいのぎ)

土地の四隅をお米とお塩をまき、祓い清める儀式です。

地鎮の儀

地鎮祭のメインとなる儀式です。別名「鍬入れの儀」とも呼ばれ、ここでは鍬入れ作業を行っていきます。

施主も参加する儀式で神主さんから鍬を受け取り、大きな声で「エイエイエイ」と3回掛け声をかけながら砂を崩す動作をします。

玉串拝礼(たまぐしはいれい)

神様に捧げるため、玉串(榊に紙垂(しで)を付けたもの)を祭壇に置きます。
こちらも施主が参加します。

祭壇に玉串を置く時は茎を祭壇に向けながら両手で丁寧に置き、二礼二拍手一礼をしましょう。

徹饌(てっせん)

神主さんが祭壇に置いてある奉献酒やお供え物を下げる儀式です。

昇神の儀(しょうじんのぎ)

神主さんが神様のお帰りを見送る儀式です。
全員立ち上がって神様をお見送りします。

直会(なおらい)

地鎮祭のあとにある簡単なお食事会です。

大規模な工事現場ではホテルやレストランで行われる場合もありますが、最近では一戸建ての家や小さなマンションの場合は行わないケースも増えてきています。

地鎮祭後

地鎮祭が終了したらご近所さんへの挨拶回りをしましょう。

地鎮祭が終わるといよいよ本格的に工事がスタートします。近隣の方たちには騒音や工事車両の行き来で不便をかけてしまいます。この土地に引っ越してくる挨拶と建築がスタートする旨を伝えておくのが大切です。

後々トラブルの発展を避けるためにも挨拶回りはしっかりとしておきましょう。

また挨拶の際に事前に用意した手土産(タオルやお菓子など)を渡すといいでしょう。

通常ご近所さんへの手土産は、建築会社が負担してくれるのが一般的です。

地鎮祭でのマナー

地鎮祭をするうえで抑えておきたいマナーがいくつかあります。

ここでは地鎮祭での服装やのしの書き方について解説していきます。

服装

地鎮祭での服装は、基本的にはスーツ(学生の場合は学生服)であれば問題ありません。しかし個人の家の地鎮祭であれば、普段の服装で出席する方も増えています。

ただ神主さんはもちろん正装をして儀式を行うので、派手な服装や露出の激しい服装は避け、できるだけ清潔感のある服装を選びましょう。

のし書きの書き方

地鎮祭の時に神主さんに渡す初穂料を入れるためにのし袋を用意する必要があります。
のしの書き方が分からない方もいるでしょう。

ここではのし袋の選び方や書き方について詳しく説明していきます。

のし袋の選び方

まずのし袋を選びましょう。
最近では水引が印刷されているものでも水引がきちんとあるものでもどちらでも構いません。

地鎮祭に適したのし袋は大きく分けて2種類あります。

  • 淡路結びの水引
  • 蝶結びの水引

一つは”これから建てる家が火災や地震などの災害に遭わないように”との意味がある「淡路結びの水引」ののし袋です。

もう一つは”建築は何度起こってもめでたい”ので紅白の紐を使用している「蝶結びの水引」ののし袋です。

地鎮祭ではどちらかを選ぶのが一般的となります。

一方”一度きりしか起こって欲しくない”との意味がある「結びきりの水引」はあまり地鎮祭に向かないと言われています。

のし袋の書き方

のし袋は筆ペンやフェルトペンで書きましょう。ボールペンだと字が細くなってしまうため不向きとされています。

のし袋の表書きには「御初穂料(または「玉串料」・「御供え」)」の言葉と「施主の名前」を書きます。

水引の上側の真ん中には「御初穂料」と書きましょう。
そして水引の下側の真ん中部分には「施主の名前」を書いていきます。

1人の場合はフルネーム、連名で書きたい場合は、中央線を挟んで書いていきます。連名の方が家族で苗字が一緒の場合は省いても構いません。
この時「御初穂料」の文字より「名前」が大きくならないように注意しましょう。

また企業の場合は、会社名と役職名を「名前」より小さく書くようにします。

次は中袋です。のし袋には中袋が付いている場合が多いです。
中袋にも筆ペンで表側の中央に「金額」、裏側の左部分には「住所」と「名前」を書きましょう。この時「金額」は漢数字で書くようにします。
もし中袋が付いていない場合は、のし袋の裏側の左部分に「金額」と「住所」「名前」を書きます。

地鎮祭をするかどうかはあなた次第

今回は、地鎮祭とは何なのか準備や当日の流れ、マナーなどをご紹介してきました。

地鎮祭はこれから建築に関わってくれる方たちとの顔合わせの場にもなりますし、これから住む土地の神様への挨拶の場でもあります。ただし最初にも述べましたが、地鎮祭を行うかどうかを決めるのは施主です。

「家が安全に建築され、安心して末永く住める」よう地鎮祭をして祈願してもいいですし、地鎮祭の代わりにお祓いをするケースもあります。
また地鎮祭をしないケースも増えてきています。
実施するかどうかは建築会社の方と相談しつつ決めていきましょう。

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