戸建て購入の費用や全体の流れ
戸建て住宅の購入を決めたものの「具体的にどれくらいの費用がかかるのかわからない」「どのような注意点があるんだろう」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
安い買い物ではないため、トラブルを避けるためには慎重に進めていかなければなりません。
そこで、戸建て住宅の購入に当たり様々な疑問を解消したい方のためにおさえておきたい費用や注意点、全体的な流れなどについて解説します。事前に確認しておくことで手続きなどをスムーズに、慎重に進めていくことができるでしょう。
また、戸建てのメリットやデメリットについてもご紹介するので、自分たちに向いているのは本当に戸建てかどうかまだ迷っているという方もぜひ参考にしてみてください。
戸建て購入にかかる費用と内訳
戸建て住宅を購入する際にかかる費用は、地域によっても大きな差があります。一例としてフラット35利用者調査を確認してみると、建売住宅の購入価格全国平均は3,494万円、土地付注文住宅については4,157万円でした。首都圏の場合は、建売住宅の平均が3,915万円、土地付き注文住宅は4,994万円です。
物件価格だけ考えてしまう方もいますが、他に様々な諸費用が必要になるので、こちらも確認しておきましょう。目安としては建売住宅や中古住宅の場合は総額の6~8%前後、注文住宅の場合は土地と建物総額の10~12%前後です。
以下のような費用がかかります。
印紙税
売買契約書や住宅ローン契約書、建設工事請負契約書といったものに印紙を貼り、税金を納めるために必要な費用です。これらの書類にはそれぞれ印紙税がかかることになり、印紙税の具体的な金額は購入金額によって異なります。
また、土地・建物を売買する時に作成する売買契約書である「不動産譲渡契約書」と、注文住宅を建てる際に作成する建設工事請負契約書については、軽減税率が適用され、2022年3月31日までの契約であれば費用を抑えることが可能です。
具体的な印紙税はそれぞれ、以下の通りとなります。
契約書記載の金額 | 金銭消費貸借契約書 | 不動産売買契約、建設請負契約 |
500万円超1000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
仲介手数料
戸建てを購入する際に仲介会社と仲介契約を結んで売買を行った場合、仲介会社に手数料を支払う必要があります。戸建ての中でも中古住宅や、新築建売住宅の中でも取引態様が媒介・仲介と書かれているものについては仲介手数料が発生すると考えておきましょう。
売主から直接新築の一軒家を購入するような場合は仲介を挟まない形なるので、仲介手数料は必要ありません。
金額の条例については宅地建物取引業法によって定められており、消費税10%の場合は「税抜き物件価格×3.3%+66,000円」の計算で金額を算出することができます。
ただ、中古住宅で売主が建売住宅や不動産会社になっているものについては住宅の価格から消費税を差し引く必要があるほか、土地と建物にかかる消費税は異なるため、個人で計算するのは難しいといえるでしょう。
詳細については直接売主、または仲介会社に確認しておくと安心です。また、法律で上限は定められているものの、下限は定められていません。そのため、交渉などによって仲介手数料を上限よりも安くしてもらう事は可能となっています。
固定資産税・都市計画税
土地・建物を所有している人が毎年納めなければならないのが固定資産税です。市町村によって違いがあるものの、固定資産税納税率は「評価額(固定資産税評価額)×1.4%」、「都市計画税については評価額(固定資産税評価額)×0.3%」が一般的となります。
手付金
購入代金の一部に充当されるお金であり、売買契約の際に支払います。金額の目安は、購入代金の5%~10%程度です。
不動産取得税
不動産を購入した際に支払う税金です。なお、軽減措置があるため、不動産取得税がかからないケースもあります。
住宅ローン借入費用
金融機関に対して支払いが必要な融資手数料やローン保証料、団体信用生命保険料などがあります。融資手数料は定率制の場合もあるほか、定額制または定率制から選択できる場合も多いです。
ローン保証料は保証会社に対して支払うものであり、万が一、返済が滞った場合に必要となります。
登記費用
登記簿に土地・建物の所有権などを記載する登記のために必要な費用です。司法書士に支払います。
戸建て購入時の注意点とは
戸建て購入時には気をつけておかなければならないポイントが多々あります。特に注意が必要なことについて解説しましょう。
住宅ローンの注意点
ローンを組んで住宅を購入しようと考えている方は、事前に借りられる金額について確認しておきましょう。一つの目安として、住宅ローンの場合は年収の7~8倍が限度とされているので、仮に年収500万円の方なら3,500~4,000万円程度の借り入れを上限として考えていましょう。
無理な返済額を設定すると大変な思いをすることになるので、よく検討した上で返済額を考えていかなければなりません。
また、住宅ローンは完済まで金利が固定されている固定金利と定期的に金利の見直しが行われる変動金利がありますが、変動金利については金利見直し時に将来金利が上昇する可能性も考えておきましょう。
最適な方法で住宅ローンを組むには、選び方のポイントを理解しておく必要があります。以下に注目しましょう。
確認したい選び方のポイント
- 金利タイプ
- 返済方法
- 諸費用
- 団信の保障内容
【関連記事】住宅ローンの選び方と金利タイプごとのリスク、審査のコツをチェック
購入費用にどこまで含まれるか確認
すべて購入費用に含まれると考えていたものの、実際には網戸やカーテンレールを設置するための費用は別料金となっているようなケースがあります。どこからどこまでの購入費用に含まれているのか必ず確認しておきましょう。
土地選びは慎重に行う
土地探しをする際には何を求めているのか明確に条件を定めておき、譲れるポイント、譲れないポイントを考えておきましょう。また、日当たりや地盤の強さ、周辺環境なども考慮した上で検討しなければなりません。
【関連記事】新築の土地の探し方でおさえておきたいポイントや注意点とは?
引き渡し前の確認
もし引き渡し直前の内覧で何らかの不備があった場合、その時点で修理を依頼しましょう。実際に住み始めてから何らかの問題を見つけても引き渡し前から発生していた不具合であると証明するのが難しいため、注意深く内覧することが重要です。
戸建てを購入するまでの流れを押さえる
どのような流れで購入することになるのか確認しておきましょう。一般的な流れについて解説します。
物件探し
戸建てを購入するといっても、建売住宅を購入する方法もあれば、土地を買って自分で家を建てる方法もあります。どちらにするかよく検討した上で決定しましょう。仲介会社に土地探しから依頼することも可能です。
【関連記事】新築と中古の戸建てはなにが違う?メリット・デメリットを比較
購入の申し込み
購入申し込みをし、購入の意思を伝えます。この際、2~10万円程度の申込証拠金が必要になることもあるので、必要か否かは確認しておきましょう。申し込みをした後、1週間~10日後に重要事項説明をされて問題がなければ売買契約を交わした上で手付金を支払います。
仕上がった建物の内覧と引き渡し
建物が完成したら引き渡し前に内覧で不備などがないかを確認します。契約とは異なる部分などを見つけた場合は必ず確認が必要です。問題がなければ残代金と諸費用を支払い、引き渡しです。
戸建て購入のメリットをチェック
マンションか一戸建てかで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。マンションに比べた場合、戸建て住宅には以下のようなメリットがあります。
騒音トラブルのリスクが低い
マンションの場合、上の階や両隣に住んでいる人の騒音に悩まされることがあります。また、小さな子どもがいる方の場合、マンションだと自分たちが騒音を発生する側になってしまう可能性もあるので、戸建て住宅の方が向いているでしょう。
駐車場代がかからない
ほとんどの戸建て住宅は駐車場が完備されているため、毎月別途駐車場の費用を支払う必要がありません。特に都心などでは駐車場の代金だけでもかなりの金額になってしまうので、大きなメリットだといえます。自宅から駐車場まで近いのも魅力です。
自由な家づくりができる
マンションの場合、規約に沿って家づくりをしなければなりません。大掛かりなリフォームなどはできないことがありますが、戸建て住宅であれば自由に行えるのがメリットです。
資産として土地を所有できる
一戸建てを購入すれば土地も所有物になります。建物は徐々に価値が低下していきますが土地は資産価値を保つことができるので、将来子どもに資産を残したいと考えている場合にもメリットが大きいといえるでしょう。
戸建て購入のデメリットをチェック
戸建ての購入にはデメリットもあります。必ず確認しておきたいポイントをまとめました。
自己責任で管理しなければならない
マンションのように管理組合はないので、維持管理のための補修などはすべて自分で手配し、支払う必要があります。大きな地震などで大規模なリフォームが必要になる可能性もあるので、計画的に補修費用を確保しておかなければなりません。
マンションよりも防犯が難しい
一戸建てはマンションに比べて防犯面で不安があります。上層階のマンションの部屋に比べて窓から侵入しやすいので、十分な対策をとっておきましょう。
マンションのような共用施設はない
マンションの中には共有施設が用意されており、とても便利なところもあります。しかし、戸建てを購入した場合はそういったものがありません。
建て替えができない物件がある
中古物件の中で再建築不可物件に該当する場合、リフォームを行うことはできるものの解体した上での建て替えはできません。再建築不可物件は割安で購入できることが多いのですが、住宅ローンが組めない可能性が高いので、十分に注意しておきましょう。
【関連記事】マンションと一軒家で悩んだ時に注目すべき特徴の比較ポイント
気になるポイントをすべて確認した上で購入を検討した方が安心
いかがだったでしょうか。戸建てを購入する際におさえておきたいポイントをご紹介しました。大きな金額の買い物になるので、費用や内訳、メリット、デメリットなどについてよく確認した上で購入を決めることが大切です。
茅ヶ崎エリアで不動産の購入をお考えの方は、ぜひハートランドまで相談ください。